ファクタリングの掛け持ちはバレる?複数社利用のリスクと秘密厳守の方法
ファクタリングの利用は取引先にバレるのか?
「ファクタリングを使いたいけど、取引先に知られたくない」「複数のファクタリング会社を掛け持ちしたらバレるのでは」――こうした不安から、ファクタリングの利用をためらう経営者は非常に多いです。
結論から言えば、2社間ファクタリングなら取引先に知られずに利用可能です。また、異なる売掛先の債権であれば複数社の掛け持ち利用も問題ありません(ただし同一債権の二重譲渡は犯罪です)。
この記事では、ファクタリングの種類による違い、掛け持ち利用のリスクと安全な方法、バレないための具体的な注意点を詳しく解説します。
2社間と3社間で「バレるかどうか」が決まる
ファクタリングには大きく分けて「2社間」と「3社間」の2つの形態があり、取引先に知られるかどうかはこの違いで決まります。
2社間ファクタリング:取引先に通知なし
2社間ファクタリングは、利用者とファクタリング会社の2者間で契約が完結します。
- 取引先への通知は不要
- 取引先の承諾も不要
- 売掛金の入金は従来通り利用者の口座に振り込まれる
- 利用者が入金を受け取った後、ファクタリング会社に送金する
この仕組みにより、取引先はファクタリングの利用を知ることがありません。
3社間ファクタリング:取引先の承諾が必要
3社間ファクタリングは、利用者・ファクタリング会社・取引先(売掛先)の3者で契約します。
- 取引先に債権譲渡の通知が必要
- 取引先の承諾が必要
- 売掛金は取引先からファクタリング会社に直接支払われる
3社間の場合、取引先にファクタリングの利用が確実に伝わります。
2社間と3社間の比較
| 項目 | 2社間 | 3社間 | |---|---|---| | 取引先への通知 | なし | あり | | 取引先の承諾 | 不要 | 必要 | | 秘密保持 | 可能 | 不可 | | 手数料相場 | 8%〜18% | 1%〜9% | | 入金スピード | 即日〜3日 | 1〜2週間 | | ファクタリング会社のリスク | 高い | 低い |
2社間は秘密保持が可能な代わりに手数料が高く、3社間は手数料が安い代わりに秘密保持ができません。秘密厳守を重視するなら、2社間ファクタリングを選んでください。
2社間でも「バレる」可能性があるケース
2社間ファクタリングを選んでも、以下のケースでは取引先に知られる可能性があるため注意が必要です。
ケース1:債権譲渡登記が行われた場合
一部の2社間ファクタリングでは、債権の二重譲渡を防ぐために「債権譲渡登記」が行われます。登記は法務局で公開情報として閲覧可能なため、取引先が調べればファクタリングの利用を知ることができます。
ただし、実際に取引先が登記情報を調べることは稀です。また、債権譲渡登記が不要な業者も増えています。
対策:債権譲渡登記の有無を事前に確認し、登記不要の業者を選ぶ。
ケース2:売掛金の入金遅延
2社間ファクタリングでは、取引先から入金された売掛金をファクタリング会社に送金する義務があります。この送金を忘れたり遅れたりすると、ファクタリング会社が直接取引先に連絡する場合があります。
対策:売掛金が入金されたら、速やかにファクタリング会社に送金する。
ケース3:自社の経理担当者からの情報漏洩
2社間ファクタリングでも、自社内の経理担当者はファクタリングの利用を把握します。経理担当者が取引先の担当者と接点がある場合、意図せず情報が伝わることがあります。
対策:社内で情報共有の範囲を最小限に留め、秘密保持を徹底する。
ケース4:取引先が信用調査を行った場合
大手企業の中には、取引先の信用情報を定期的に調査している企業もあります。資金繰りの悪化が数字に表れれば、ファクタリングの利用を推測される可能性はゼロではありません。
ただし、ファクタリングは借入ではないため信用情報機関に記録されず、決算書上も「借入金」として計上されません。
ファクタリングの掛け持ち利用は可能?
複数のファクタリング会社を同時に利用する「掛け持ち」は、法的には禁止されていません。ただし、やり方を間違えると犯罪行為になるケースがあるため、正しい知識が不可欠です。
基本:異なる売掛債権なら掛け持ちは可能
たとえば、A社への売掛金はファクタリング会社X、B社への売掛金はファクタリング会社Yに売却する――このように売掛先が異なる債権をそれぞれ別のファクタリング会社に売却する場合、法的にも実務的にも問題ありません。
売掛先ごとに審査条件や手数料が異なるため、複数社を使い分けて有利な条件を引き出すのは合理的な資金調達手段です。
絶対NG:同じ売掛債権の二重譲渡は犯罪
同一の売掛債権を複数のファクタリング会社に売却する行為は「二重譲渡」にあたり、刑法上の詐欺罪に該当する可能性があります。
二重譲渡とは、すでにファクタリング会社Xに売却した売掛債権を、ファクタリング会社Yにも売却する行為です。これは「ひとつの資産を二人に売る」のと同じであり、資金繰りに困っていても絶対に行ってはなりません。
ファクタリング会社側も二重譲渡を防止するために、債権譲渡登記の確認や売掛先への照会を行う場合があります。発覚した場合は刑事告訴・契約の即時解除・損害賠償請求に発展するリスクがあります。
掛け持ちが審査に与える影響
複数のファクタリング会社を同時に利用している場合、審査時にマイナス評価を受けることがあります。
- 資金繰りの悪化シグナル:多数のファクタリング会社を利用していると、「手元資金が慢性的に不足している」と判断される
- 手数料負担の増大:掛け持ちにより手数料の総額が膨らみ、返済能力に疑問を持たれる
- 申込時の自己申告:多くのファクタリング会社は申込時に「他社利用の有無」を確認する。虚偽の申告は契約違反になる
2〜3社程度の利用であれば一般的な範囲ですが、5社以上を同時に利用している場合は審査が厳しくなる傾向があります。
掛け持ちが「バレる」パターン
2社間ファクタリング同士の掛け持ちであれば、取引先に知られる可能性は低いです。しかし以下のケースでは注意が必要です。
- 3社間を含む場合:3社間ファクタリングでは取引先に債権譲渡が通知されるため、他のファクタリング会社の利用も推測される可能性がある
- 債権譲渡登記の確認:ファクタリング会社が登記情報を調査し、他社への譲渡登記が見つかる場合がある
- 入金遅延によるトラブル:掛け持ちで管理が煩雑になり、送金遅延が発生すると、ファクタリング会社から取引先に連絡が入る可能性がある
安全な掛け持ちのルール
掛け持ち利用を安全に行うためのルールをまとめます。
- 売掛先が異なる債権を別々のファクタリング会社に売却する(同一債権の二重譲渡は絶対にしない)
- 他社利用の有無を正直に申告する(虚偽申告は契約違反・信頼失墜の原因)
- 利用社数は2〜3社に留める(過度な掛け持ちは審査落ちのリスクを高める)
- 各社の送金期日を管理し、遅延を防ぐ(管理ミスがバレるきっかけになる)
バレずにファクタリングを利用する5つのポイント
1. 2社間ファクタリング対応の業者を選ぶ
当然ですが、2社間対応の業者を選ぶことが大前提です。オンライン完結型の業者は、基本的に2社間ファクタリングに対応しています。
2. 債権譲渡登記が不要な業者を選ぶ
登記が行われると公開情報になるため、登記不要の業者を優先しましょう。ペイトナーやラボルなどのオンライン完結型サービスは、登記不要で利用できるケースが多いです。
3. 契約書の秘密保持条項を確認する
ファクタリング契約書に秘密保持条項が含まれているか確認しましょう。正規の業者であれば、利用者の情報を第三者に開示しない旨の条項が含まれています。
4. 売掛金入金後は速やかに送金する
2社間ファクタリングでは、取引先からの入金をファクタリング会社に送金する義務があります。遅延するとトラブルの原因になるため、入金確認後は当日中に送金しましょう。
5. 利用頻度をコントロールする
同じ取引先の売掛債権を頻繁にファクタリングすると、経理処理の不自然さから社内で気づかれるリスクが高まります。利用頻度を適切にコントロールすることも重要です。
取引先に知られても問題ないケース
なお、以下のケースでは3社間ファクタリングで取引先に知られても問題にならない場合があります。
- 取引先が大企業で、債権譲渡に慣れている場合
- 取引先との関係が良好で、資金調達に理解がある場合
- 医療・介護業界(診療報酬ファクタリングは一般的な手法)
3社間ファクタリングは手数料が低いので、取引先への通知が問題にならない場合は積極的に検討する価値があります。
まとめ
ファクタリングの利用を取引先に知られたくない場合は、2社間ファクタリングを選べば基本的にバレることはありません。さらに、債権譲渡登記が不要な業者を選ぶ、入金後は速やかに送金するなどの注意を払えば、秘密厳守で安全に利用できます。
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